「伝えてよ」スネオヘアー

投稿者: としぼん 投稿日時:2009/07/03
カテゴリー:【J−POP】 【としぼんのおすすめ】 【おすすめ度:☆☆☆☆☆

 スネオヘアーの音楽は、“作られた感”がなくて私は好きだ。流行りの言葉で言うならばオーガニック。彼の自然体からにじみ出る感情が音楽の波に乗り、時に激しく、時に穏やかに聴き手に伝わってくる。

 人間には言葉では表せられないくらいの感情がある。清い心がありながらも、毒を持っていたりする。相反する感情がある。
 スネオヘアーは、それをさらけ出している。決して彼は「いい子ちゃん」ではない。だからこそ彼の音楽には人間的な魅力を感じることができる。

 この「伝えてよ」は、離れ離れになった人に対する歌である。内容は、未練と感謝と、これからの想いが混在している、いかにも自分勝手な相手に対する一方的な想いである。   
しかし、歌の主人公は直接別れた人に「伝える」わけではなく、別れた人と主人公を繋ぐ他の誰かにそれを託している。本来ならば直接本人に伝えるべき、他の人が触れるべきではない純情な想いをである。
 この時点で、主人公は相当自分勝手である。他の人に触れさせると戸惑うような想いを預けてしまうのだから。仮に預けられた人が主人公のことを想う人ならば、なおさら自分勝手かつ残酷である。人間の自分本位な考えが垣間見えてしまう。しかし、そういったことは大いにあるでしょう。好きな人から別の人に好きだと伝えてほしいと頼まれたことが。
 
 ライトなギターポップに乗っている歌詞は、表面上では何てことない未練の歌なのだが、背景にはそういった人間の“毒”の部分が隠れている。だが、主人公の想いは純粋そのものである。人間の明と暗がそこにはある。きれい事だけじゃないということが、スネオヘアーの音楽にリアリティを持たせるのである。

【収録CDについて】
 ちなみにシングル盤の「伝えてよ」は、まさに王道といった感じの耳馴染みの良いギターポップです。そして、後に発売された「言いたいことはいつも」の3曲目に収録されている「伝えてよ」の弾き語りライブバージョンは、アコースティクギターのみの演奏となっています。
 同じ楽曲なのですが「動と静」を感じることができます。シングル盤では、何も考えずに伝えほしいという主人公の無邪気な感じ、ライブバージョンでは、別れた人に対する純粋な想いが際立って表現されているように思います。

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