「five-star」YUKI

　YUKIが所属していたJUDY AND MARYもデビュー15周年を迎えたが、未だその魅力は色褪せず、なおさらに求心力を強めている。様々なアーティストによるトリビュート盤が製作され、今年はその偉大さが再認識されるだろう。しかし、YUKIは現在進行形で突き進む。ソロとしての魅力が余すことなく詰められたこのシングルコレクションは、何度聴いても飽きない必聴盤なのだ。

　通常シングルの発売順に並べられたアルバムというのは、面白みに欠けてしまいがちなのだが、YUKIの場合は少し様子が違う。最初から最後まで、とても滑らかに、色とりどりに、まるで虹のように、彼女のイロトリドリノセカイが現れては消えていくのだ。この音の清流は心地よい。一度かけたら最後まで通して聴き入ってしまう。
　昨今の邦楽にありきたりな恋愛のことだけでなく、自己との対峙、家族のこと、人生観、愛など、彼女が描き出すものに感じられる自然さがとても良いのだ。
そして彼女は変化することを恐れない。その時にある最良なものを切り取ることができ、素晴らしいものを聴かせてくれる。彼女はいつでも進行形であってほしい。