「LOVE PHANTOM」B'z
投稿者: としぼん 投稿日時:2008/09/09
カテゴリー:【ロック】 【としぼんのおすすめ】 【おすすめ度:☆☆☆☆☆】
2008年でデビュー20周年を迎えたB’z。日本の音楽市場、類を見ない浸透力と実力を兼ね備えたモンスターユニットとなった彼らが売れ続ける理由とは。
爆発的な売上を誇る彼らだが、その大衆的な人気と引き換えに批判も多い。このギターリフは洋楽のパクリだとか、いつも似たような感じであるとか、ロックを感じないだとか。この手の批判のうちはもっともなこともあるが、あくまでも上げ足取りのように私は感じる。そもそも彼らが大衆に受け入れられるのは、様々な要素を取り込んだロックを日本人好みに昇華している点に尽きる。したがって、洋楽的なものも含んでいて当然だし、同じコンポーザーが作曲する以上その人の好みというものが出てくる。むしろ、そのこと自体がアーティストの持つ味である。
B’zはロックという筋を通しながら、打ち込みや、グラムロック、R&B、ポップス、バラード、クラシックなど多彩な音楽の幅を自由に扱うことに非常に長けている。どんな音楽であろうと、圧倒的なヴォーカルセンスを持つ稲葉浩志と、テクニカルなギターを炸裂させる松本孝弘によって彼らの音楽として構築される。さらに20年に渡って均一的に高いレベルを保ち続けながら、音楽の要素の輪を回っている。常に進化を繰り返しながら、同じ場所に留まらない攻撃的な姿勢を評価すべきである。
B’zの数あるヒット曲の中から、クラシカルでオペラ的要素を引き出した最高傑作と言えば「LOVE PHANTOM」であろう。悲劇の幕開けのようなオーケストラのイントロから始まり、狂気をも感じさせる白熱のヴォーカル、息をもつかせない激しいギターの音色、高鳴る胸の響きと共鳴するドラム。これらを見事に一つの形にまとめ上げるのは並大抵のことではない。彼らの持つ実力の奥深さを垣間見えるような楽曲である。
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