「花」森山直太朗

投稿者: としぼん 投稿日時:2008/05/21
カテゴリー:【J−POP】 【としぼんのおすすめ】 【おすすめ度:☆☆☆

 中孝介に提供した「花」を森山直太朗自身がセルフカバーしたもの。5thアルバム「諸君!!」に収録されている。

 正直なところ、私は森山直太朗がまったく好きではなかった。彼が「さくら」で注目を集めていた頃、私は「さくら」のファルセットに気持ち悪さを覚えたうえに、彼が自分の楽曲と歌っている自分に酔っているように思えてしまったからである。
 今でもそういう気持ちがないわけではないが、彼がリリースしてきた楽曲の真摯な姿勢を見て、その気持ちは和らいでいる。表現者なのだから、多少ナルシストであることも必要だとも思うようになった。

 彼が書く音楽は、かなり古いタイプのものだと思う。要するにフォークの精神性を受け継いでいると思う。親がフォークシンガーだから受け継いでいるというのは安直な判断ではあるが、彼と作詞を多く担当する御徒町凧(おかちまち・かいと)が作り出す音楽は明らかにその気風を感じさせる。わりと無理をしないコード進行と、多少の毒や社会批判を盛り込んだ歌詞はまさにそうである。そして、それが一回りして今の世にも受け入れられていると思う。雑多なもので溢れかえる今の時代には、彼が書くシンプルなメロディーと人を励ます歌詞は目立つ存在であるからである。

 さて、今回の紹介している「花」は、奄美大島出身の中孝介に提供したものである。中孝介はこの楽曲で一気に注目を集め、島唄を背景に持つ男性歌手として認識されるに至った。彼の歌声があったから売れたのかもしれないが、正直なところ楽曲の良さが勝っていたと思う。中孝介にとっては、これ以外の楽曲でヒットを出すことが必要になるだろう。

 森山直太朗がセルフカバーした「花」は、アレンジがとても良い。アコースティック・ギターのみのシンプルな構成ながら無駄を排除したことで、この楽曲が持つ力を最大限に引き出している。この楽曲は夢に破れた人、心に傷を負った人に「せめて私が歌を歌ってあげましょう」という励ましのかたちをとりつつ、「あなたがあなたらしくいればいい」という意味が込められている。「せめて」という言葉がある以上、無駄な演出はいらない。中孝介版は売れるために無駄なアレンジが多すぎた。森山直太朗版の方がこの楽曲にしっくりきている気がする。

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