「カラフル・トーキョーサウンズ・No.9」Aira Mitsuki / 【テクノポップの展望】

投稿者: としぼん 投稿日時:2008/05/05
カテゴリー:【ダンス・エレクトロニカ】 【としぼんのおすすめ】 【おすすめ度:☆☆

 テクノポップがちょっとした流行になっている昨今、彼女もまた注目される可能性のあるアーティスト。この楽曲の出来が良いだけに、次にどんな作品を発表できるかが鍵となる。

 プロデューサーは、GIZA studio系アーティスト(愛内里菜など)への楽曲提供などで知られる大西輝門。楽曲は完全なテクノポップの王道で、ピコピコと鳴り響く。サビの最後の部分にある階段状に上がっていくメロディーは独特で好きだ。
 ただ、彼女が残るかは正直わからない。オリジナリティーがまだ感じられないからだ。

【中田ヤスタカ以外のテクノポップの奮起が必要】

 現在の日本の音楽シーンでテクノポップが注目されているのは、中田ヤスタカによるところが大きいと言える。クラブ、capsuleでの地道な活動、Perfumeや、MEGのサウンドメイキングなどを通じて、徐々に浸透してきたからだ。ただ、彼は最初からテクノポップを書いていたわけではなく、彼の流動的な活動の中での通過点として、テクノポップを使った表現法が確立されているという状態である。したがって、中田ヤスタカが公言するように「自分がおもしろいと感じたものをする」ということであれば、彼とテクノポップの波長がずれれば、中田サウンドは別の進化をすることになる。つまり彼の中でもテクノポップが一時的な流行の可能性もある。

 テクノポップ自体、表現の幅は狭いと思う。音は無機質になりがちだし、歌声もヴォコーダー処理がなされてしまい、歌い手としての存在価値が薄らぐ。中田ヤスタカの場合、歌声はあくまでも素材とみなし、彼とともに活動する歌手もそれを理解しているからよいが、果たして歌手が自己主張をしだしたときはどうなるだろうか。

 しかしそうは言っても、中田ヤスタカの音にはオリジナリティーがある。切ない歌詞も、彼らしい独特のサウンドも、彼がつくったんだなとわかるからである。テクノポップの先駆者の坂本龍一も自身のサウンドの色があるからこそ、世界でも評価を受けたのである。しかし、坂本龍一はテクノポップに固執することはなかったが。

 テクノポップが日本の音楽シーンの中で、安定したひとつの分野として確立するためには、Aira Mitsukiのように、中田ヤスタカの影響以外のところから出てくるひとが必要だ。ただし、テクノポップ=中田ヤスタカという図式が出来上がりつつある中で、オリジナリティーを発揮することはかなり難しいことだとは思う。

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