「アイランド(Flash and Gleam収録)」レミオロメン

投稿者: としぼん 投稿日時:2008/04/28
カテゴリー:【ロック】 【としぼんのおすすめ】 【おすすめ度:☆☆☆

 2006年限定販売のアルバムFlash & Gleamに収録されていた「アイランド」は、歌詞が印象的なバラードである。暗い世界の中をもがくように泳ぐ主人公は、藤巻亮太(Vocal, Guitar)自身であり、彼の苦悩の先にレミオロメンの音楽があることを認識させてくれる楽曲である。

 レミオロメンの多くの楽曲の歌詞と作曲を担当し、バンドの中核を担う藤巻亮太は、私の個人的な判断ではあるが、かなりナイーブな人物だと思われる。決して才能溢れるといった印象ではない。これについて、彼は多くの名曲も生み出していることを踏まえての反論はあるだろう。しかし、彼の歌詞は内にこもった人間でしか書けない内容のものが多くある。天賦の才能をもって何かを生み出すというよりも、彼は内面世界を旅するに耐えうる力があり、それによって勝ち得た何かを表現しているという方が合っている気がする。

 デビュー前後のレミオロメンは、プロデューサーを迎えることなく、自分たちで楽曲製作を行っていた。その頃は内にこもった歌詞ばかりで、聴き手を意識していないというか、彼自身の中で完結している歌が多いように思う。おそらくそれが藤巻亮太の描くフラットな世界なのだろう。それが大きく変化したのが2ndアルバム「ether[エーテル]」である。Mr. Childrenのプロデューサーでもある小林武史が製作に加わるようになったのが主な理由と考えられるが、その頃からレミオロメンが描く世界は外に向かって一気に加速しだすのである。今までの内面世界から解放され、聴き手の心を何が何でも掴むんだという気合いが感じられる楽曲を連発するのである。それが「粉雪」へのヒットにつながり、3rdアルバム「HORIZEN」の名前の通り、どこまでも果てない地平線にまで世界観が広がっていったのである。

 しかし、人間には光と影があるのが必然である。バンドも人間が生み出す音楽が前提となっている以上、表現者の光と影が反映される。突然輝きだしたレミオロメンは、一方で影の部分も蓄えていたのである。その影の部分が反映されたのが「アイランド」である。表現者としての苦悩、好かれ嫌われる感情が、「僕と君」との歌詞世界に託され描かれている。暗い夜の海を泳ぐ「僕」は、欠けた月の限られた光を頼りに、失った「君」=アイランドを探し求め続ける。暗く重苦しい内容なのだが、葛藤や絶望ばかりではないのがこの歌詞の魅力である。全面的に暗闇に覆われた世界では、一筋の欠けた月の光が大きく際立っており、影に覆われているからこそ光=希望に向けた力強さを感じることができるのである。聴き手はこの世界観に触れたとき、新たな力を得るのだろう。生きていく中で苦しいことがあっても、うっすらとした光を見つけることができれば、前に進むことができるんだと。この歌詞が、人の心を打つ理由はそこにあるのだろう。

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