「南風」レミオロメン

投稿者: としぼん 投稿日時:2007/02/26
カテゴリー:【ロック】 【としぼんのおすすめ】 【おすすめ度:☆☆☆☆☆

 レミオロメン・05年発表の5thシングル「南風」。曲の全部を包み込むような明るさと「君を大切にする僕」の情景が重なり合う名曲。春から夏にかけての清々しい空気感と非常に合う1曲。今年は早くから、この楽曲が似合う季節になりそうです。

 個人的なことですが、この楽曲がとても好きです。どれくらい好きかというと、この記事を書いている時点でのiTunesの再生回数が420回を越えてトップになっているくらいです。と言うことは、ほぼ1日に1回聴いていることになります。ここまで僕が聴いてしまう、この楽曲の魅力について考えてみます。

 まず、歌詞が持つ世界観が好きです。この楽曲のテーマは、サビの部分の「君をもっと 愛をもっと 欲しいのさ」にストレートに表われています。シンプルで普段言う機会がないような言葉ですが、力強く、はっきりとした主人公の意思を感じることができます。
 しかし、歌詞から読み取れる主人公は普段からこんな言葉を照れることなく言えるような人物ではありません。そこに至るまでに、伝えたい気持ちがありながらも照れてしまったり、自分の心を相手から見透かされたり、自分の心の中を旅したりといった紆余曲折があることが示唆されています。そういう主人公像だからこそ、きちんとした愛の言葉を言うときの力強さを感じることができるのです。まるでドラマのように、感情移入することができる歌詞なのです。
 
 ところが、ここまで感情移入ができるのに、この歌詞は多くの言葉を語りません。それはつまり、聴き手にその先や情景を考えさせる余裕があるということです。言い換えると、聴き手に楽曲の世界観を委ねる部分があるということです。この委ねられた部分において、聴き手は自分の体験を投影し、この楽曲の魅力を増幅させることができるのです。秀逸な歌詞だと思います。


 次に、音のつくりが好きです。全編を通して、明るい陽光を思わせる長調の響きが特徴的です。イントロは、ギターによるクリーンな音色のアルペジオから始まり、風の響きを思わせるキーボードが入り、ベースでしっかりと支えていく。徐々にサビに向けて盛り上がっていくのです。また、これまでのレミオロメンにとって珍しいストリングス(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)もアレンジに加えられています。
 リズムは、4つ打ちを基本として、響きを抑えたシンバルが16ビートを響かせる至ってシンプルなものです。しかし、サビの前でのドラムの連打が、これまでのリズムから劇的に変化をもたらし、主人公の胸の高鳴りと協調しているようです。

 「南風」は、シンプルな楽曲ですが、非常に魅力的です。レミオロメンにとっても、この後にリリースされる「粉雪」「HORIZON」などの「南風」の流れを汲む楽曲の布石となっています。

 なぜなら、「南風」には今までのレミオロメンにない劇的な音の変化があるからです。それはおそらく「南風」の前にリリースされた「モラトリアム」からプロデューサー小林武史氏の影響を受けているのでしょう。それまでに取り入れられていなかったストリングスやキーボード、シンセサイザーのデジタルな面は明らかに小林武史氏の得意分野だからです。この変化が以後のレミオロメンの広がりを可能にしたのは言うまでもないでしょう。

 また同時期にリリースされた「モラトリアム」と「南風」は対照的な作品である点も注目すべきでしょう。「モラトリアム」では、内面を抉るような歌詞が特徴であり、「南風」では、外面に目を向けたすがすがしい歌詞が特徴です。藤巻亮太氏が書く詞が変化しだしたのもこの頃です。そういったマニアックな視点からも、この楽曲は特筆すべきものがあります。

 ここまで褒めておきながら何なんですが、ヴォーカルの藤巻亮太氏は、ちょっと歌がうまくありません。リズムが少しズレてしまうのと、ピッチが微妙なときがあります。でも、CDだと上手だし、そういった微妙なズレも魅力的なのかな思えば、どうってことありません。何て言ったて、非凡な作詞、作曲能力があるんですから!

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