「UNSPEAKABLE」Every Little Thing

投稿者: としぼん 投稿日時:2007/02/16
カテゴリー:【J−POP】 【としぼんのおすすめ】 【おすすめ度:☆☆☆☆

 「UNSPEKABLE」は、02年発表の「UNTITLED 4 ballads」というシングルに最初に収録された。Every Little Thing(以下ELT)のデビュー10周年記念のバラードベストアルバム「14 message –every ballad songs 2-」の冒頭を飾る楽曲としても収録されている。ヴォーカル・持田香織による歌詞が秀逸な楽曲。

 自分はデビュー当時からELTが好きだ。飽きもせず、10年間ELTを聴いていることになる。ELTの10年の歩みは、自分の多感な時期と重なることもあり、自分の人生観に少なからず影響しているような気がする。

 ELTがデビューした頃、小室哲哉サウンドが全盛期であった。当時それを好んで聴いていた自分にとって、小室哲哉よりも洗練されたポップなメロディーとデジタル・ビートを兼ね備えたELTは、当然のように自分を虜にした。しかし、デジタル・ビートを基調とした作曲を得意としていた五十嵐充の脱退により、ELTに大きな変化が訪れる。それまでほとんどの楽曲を五十嵐充から提供を受けていたELTであったが、多くの作曲家からの楽曲提供を受け、無機質なデジタル・ポップからの脱却を図り、温もりのある生音重視へと方向転換をすることになる。

 その中で、音の変化だけでなく、持田香織が書いた歌詞を持つ楽曲も増え、五十嵐充在籍時のELTとは違った側面を見せるようになる。5thアルバム「Many Pieces」以降、「人の温もり」「ただ、そこにある幸せ」「当たり前のこと」「ささやかな歓び」そういったものを表現するユニットとしてのELTの姿である。この変身したELTの姿は、勢いのあるELTサウンド−特に初期のデジタル・ポップ―を好む人や、持田香織の歌い方の変化を嫌う人には受け入れられていない傾向がある。しかし、自然の流れの中で行き着いた「ささやかな幸せ」を歌い上げるELTは、とてもいい味を出している。人の心は常にうつりゆくものであり、ELTが自らのスタイルを変えていくことも当然のことである。今のELTも過去のELTも、それぞれが本当の姿である。

 さて「UNSPEAKABLE」は、ELTが特に「人の温もり」を大切に歌い上げるようになる過渡期の楽曲である。デジタルな部分と、生音がちょうどバランスよく混ざり合っていた頃でもある。音にはデジタルな面が残りつつも、持田香織の歌詞は既に「温もり」を重視したものになっており、今から思えば、今のELTへの布石となった楽曲である。

 「UNSPEAKABLE」を直訳すれば、「言葉にできない」「話すことができない」となるが、歌詞上の意味は「言葉じゃ足りない想い」である。自分の隣にいる人、めぐり逢った人、そういった人を大切に想う気持ちは、言葉にしても表しきれない。言葉にできないものを言葉にして、人の心に伝える。それはとても難しいものである。かたちのない想いを、すべて言葉に表すなど不可能なことである。しかし、持田香織の歌詞はその輪郭をなぞるように丁寧に書き上げられている。人がそれぞれに持つ、言葉にできない気持ちは十人十色であるが、その本質的な部分をしっかりと捉えられていると思う。

 音のつくりは、冬に発表されたバラードということもあり、鈴の音が響いていたりと、しっとりとしたものとなっている。持田香織のハリと伸びを持ち合わせた歌声と、伊藤一朗が持田香織の歌声を骨太なギターサウンドでしっかりと支えている。
 サビに転調する部分があるのだが、そこは極めて劇的である。歌詞のもっとも大切な部分を際立たせている。ギターソロはハモリが効いていて、素晴らしい響きである。


なお、本作が収録されている14 message –every ballad songs 2-には、通常版と、初回限定盤があり、初回限定盤には100ページに及ぶ写真集(インタビュー記事を含む)がついている。

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